最新MRデバイス「HoloLens」とその活用法

VRよりもさらに一歩先をいく技術があります。それがMRです。私たちが存在する現実世界とコンピューターが作り出した仮想世界を複合させた複合現実のことをさすMRを利用すれば、現実にある花壇を見つつ、その花壇のサイズに合う花を3DCGでモデリングしていく、といったことも可能になるのです。

このMRに力を入れているのがMicrosoft。「Microsoft HoloLens」というMRデバイスをリリースしています。本体にWindows10のOSとチップを搭載しており、本体自体がPCとして動くため、外部デバイスと接続する必要がありません。「スタンドアロン型」と呼ばれるこのシステムは、他のデバイスではなかなか見られない大きな特徴です。HoloLensでは、まわりの壁や障害物、床の読み取りと認識が可能。ゲームを起動すると、現実世界にある机などの物体にゲーム内の物体が落ちたり、実際の床を歩いたりすることができます。今手に入るMRデバイスの中では、もっとも高性能で値段が高いのがHoloLensだと言われています。

まだまだ日本ではなじみの薄いHoloLensですが、ドワンゴが他に先駆けて早速活用を始めています。それがHoloLensを利用した同期コンテンツシステム「DAHLES(ダレス)」です。HoloLensが標準提供しているシェアリング機能にはない多人数利用に特化した独自の制御システムで、多人数での空間共有を容易にしています。このDAHLESは角川ドワンゴ学園が開校した通信制高校、N高等学校の入学式でまず導入されました。全校生徒の中から60人が東京にあるドワンゴのイベント施設であるニコファーレに集まり、HoloLensを装着。沖縄・伊計島にある本校からリアルタイム中継を行い、CGで現れる校長や来賓の話を聞くという画期的な入学式でした。

ドワンゴはこれを入学式だけではなく、授業にも活かそうと動いています。DAHLESを使えば、教室などで大人数の生徒たちが一斉に同じMR体験を共有でき、これまで導入が難しかった立体模型を使った授業などもデータの追加だけで手軽に実施できるようになるのです。これであれば、遠隔地からの授業も非常に便利になります。まさに前代未聞の通信制高校です。ドワンゴの取り組みをきっかけに、教育分野以外にも使用シーンが広がっていくことでしょう。MRの進化からますます目が離せなくなりそうです。